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iPad文選、はじめました

2010年09月26日 12:58

ついにわが九ポ堂活版部門にもデジタル化の波が押し寄せてきました。

活版印刷で文字物をやる場合、普通活字を一字一字拾うという所からはじめなければいけません。この作業を「文選」というわけです。で、日本の活字は平仮名、カタカナ、漢字とあるわけで、その数たるや膨大な数になるのです。漢字の活字はそれぞれ使う頻度順に「袖」「大出張」「出張」「小出張」「外字」といった具合に分れております。例えば「年」とか「日」とかはすごく使うので「袖」となっていますが、「爾」はそんなに使わないので「小出張」になっております。ただ、なぜか「猫」とか「机」という結構使うであろう漢字が「繍」(よめません)という漢字と並んで「外字」に区分されていたりします。(ちなみに九ポ堂の活字は文昌堂という所の活字の区分の仕方をとっておりますが、ほかにも色々な区分の仕方があるそうです。)

IMG_6694.jpgこれがスダレです。

文選工の方達はどの漢字がどこにあるかを全部空で覚えていて、なんでも作業中の文章とは関係のない話をしながら活字を拾っていたということです。ですが、出張という言葉に「ど、どこにいくの?」と言ってしまうぐらいズブの素人の僕にはどの文字がどこにあるのかは皆目見当がつきません。パソコン世代の僕としては「コマンド+Fって何て便利なものだろう!」と思いながら活字を拾っておりました。……そうです! コマンド+Fをすれば良いのです!

IMG_6685.jpg印刷室に置きたるiPad

僕はまず文昌堂の活字台帳を全てスキャニングしてOCRソフトで文字データ化することにしました。袖や大出張、出張の漢字は結構すんなりOCRでデータ化することが容易でしたが、画数の多い外字の漢字になると一筋縄では行きませんでした。手書き入力や漢和辞典を引きながら、結局一日仕事になってしまいました。入力した文字データをPDF化しiPadにいれて「検索」してみると、おお! 探している文字が誇らしげに反転して示されていました。「なるほど「街」は小出張の3番目のスダレ(活字が入っているケース)にあるのか!」僕は印刷室で少々興奮してしまいました。活字を拾う速度が格段に速くなったのは言うまでもありません。
ところで、これはデジタル化というよりも、良く言えば「デジタルとアナログの融合」でしょうか? それとも「デジタル技術のアナログ的用法」でしょうか? うーん、後者かなぁ(笑)。(草)


IMG_6686.jpgIMG_6689.jpgIMG_6700.jpg
漢字を検索すると…発見!はい、組上り
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